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Die Fälscher

Main Cast

カール・マルコヴィックス:サロモン・ソロヴィッチ

 

アウグスト・ディール:アドルフ・ブルガー

 

 

Plot

ナチス政権下の戦時下のドイツ。ユダヤ人の印刷業(実は公文書偽造業)を営むソロヴィッチはナチスドイツ当局に逮捕され、悪名高い収容所送りに。

多くの同胞が  -ナチスにとって塵ほどにも軽い収容所のユダヤ人の命は明日を生きられる保証も無く- いつ殺されてもおかしくない状況に置かれていた。この世の地獄とも思われる場所に送られたソロヴィッチではあるが彼はナチスにとって例外であった。ナチにはゴミのような命であっても彼の贋作技術は連合国の経済を混乱させるのに利用できるものだった。

かくして、ソロヴィッチはナチスのポンド/ドル紙幣贋作工房に送られる。

通常の収容所よりははるかに人道的な待遇と引き換えに、彼はナチの贋札作戦へと組み込まれるのであった。しかしそれは、自らの同胞を容赦無く虐げてきた敵に協力することに他ならなかった。

 

Review

実話を元にした作品。

-同胞を虐殺した敵に不本意ながら協力するも、最後には仲間の収容者と蜂起し、悪党を打ち倒す- そんなストーリーになるかと思って(期待して)いたが、大部分はむしろその逆でした。彼らユダヤ人収容者からなる贋札タスクフォースは主人であるナチスに従順であり、期日までに決められた作品を納める事に日々従事している。一般の収容所とは異なり、贋作工房内での序列も決められており、ナチの担当官と窓口になり折衝するユダヤ人もいる組織だった、そして背景を知らずにその場面だけを見れば極めて普通の会社組織の様な秩序立った関係が前半は描かれており、「高待遇」を提供される条件に収容者達も自身の仕事にある種の理解を持っている歪んだ関係図が描かれる。もちろんこの関係は収収容者が自ら望んで得ているものでは決して無く、与えられた環境で最大限より良いものを求める人間の傾向をナチスが最大限に利用しているに過ぎない。過ぎない、のではあるけど、あれだけ「親の仇」と言う言葉などでは表せない位どうしようもない程の敵に媚びへつらい協力せざるを得なかった収容者達の当時の絶望的な状況が伝わってくる。

最終的に連合軍が攻め入り収容所をナチスが放棄して収容者が掌握するのだが、そこで悲惨な一般収容者とそれよりはまだまともな待遇を受けていた贋札工房のメンバーが相対するシーンで、一般収容者が贋札工房内のシーツのベッドを何度も撫でるシーンが印象的だった(一般収容者は豚小屋の様な藁の上で寝かされていた)。彼らが求めていた当たり前の人間としての生活、それを根こそぎ奪われ同胞を蹂躙され、打ちのめされた上に仲間がナチの協力者であった絶望感。決して彼らに詰め寄るわけでも無く、ただシーツを撫でる収容者の思いはどのようなものだったのだろうか。

 

同じ立場で自分ならどうしただろうと考えても、同じ視点で考える事すら出来ないのだが、観て良かったと思える作品でした。

 

ちなみに作品中最後までレジスタンスである姿勢を貫いていたブルガーのウィキがありました。作品の参照として貼っておきます。

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/アドルフ・ブルガー

 


The Counterfeiters Movie Trailer - YouTube